自転車事故は、意外と多い。しかも、事故は、身近なところで起きている。
大分中央署管内でも自転車による死亡事故が発生している。
大分市内の県道歩道上で、男子高校生の自転車にはねられた女性が死亡した。
事故は、午後8時45分頃発生。帰宅していた市内在住の男子高校生(17)の自転車が、知人と歩いていた同市内在住の主婦(61)と正面衝突。
主婦は頭部を打ち、市内の病院に運ばれた。当初は意識があり、会話ができていたが、翌日夕方に容態が急変し、病院で亡くなった。
現場は、自転車が通行可能な歩道で、警察による詳しい事故原因の調査が行われた。
自転車での加害事故例
平成25年に神戸地方裁判所で読み上げられた判決文を例にあげてみる。
住宅街のある坂道で、午後7時頃、事故当時11歳の少年は帰宅の途中でありライトを点灯したマウンテンバイクでその坂を下っていた。
同じ道を女性が散歩していたがそのことには気がつかず正面衝突し、女性は転倒、頭を強く打ち脳挫傷の重傷を負った。
一命は取り留めたものの意識は戻らず、四肢拘縮などの後遺障害も残ってしまった。

その後、女性側が損害賠償を訴え、裁判では少年の運転が危険な行為であったと主張。
さらに、その少年の母親が監督義務を果たしていなかったことについても主張した。
母親に対する請求額は、1億円強。
これに対して、母親側は、少年の運転方法は適切であったということ、母親は少年に対し、ライトを点けて、ヘルメットを着用することも指導していたため過失相殺ができると主張していた。
しかし、判決では、少年が時速20~30キロで走行していたことと前方不注意であったことが原因であると認定し、ヘルメットを着用していなかったことなどもあり、保護者の責任について追及した。
母親側は少年に指導をしていたと主張していたが、その指導や注意が功を奏しておらず監督義務を果たしていなかったのは明らかであるとして母親に約9500万円の賠償を命じることとなった。
この約9500万円の中には治療費・慰謝料・休業損害が含まれており、さらに後遺症を負ったことに対する慰謝料、逸失利益、さらには、将来に渡ってかかる介護費用などまで入っている。
特に後遺症を負ったことが、これだけ高額になったことの原因であると考えられる。
介護費用を1日当たり8000円とし平均余命年数と掛け合わせるなどして算出すると、介護費用だけを見ても4000万円近くになる。
後遺症に対する慰謝料も、被害女性の意識が戻らないままであるため3000万円近い額にまで上がっている。
最新の道路交通法の改正
道路交通法は、2024年(令和6年)5月24日に公布され、2024年(令和6年)11月1日から施行された。
この改正では、自転車の運転中にスマホなどを手に持って通話したり、画面を注視したりする「ながら運転」が禁止され、罰則の対象になる。
また、自転車の酒気帯び運転が新たに罰則の対象となり、運転者だけでなく、酒類を提供した者や、同乗者などにも罰則が科される。

これらはいずれも、自転車を降りて押している状況では違反にならない。
違反を繰り返した人は、自転車運転講習の対象となる。加えて、命令を無視して自転車運転者講習を受けなかった場合は、5万円以下の罰金が科される。
改正法では、自転車の交通違反で反則金を納付させる、いわゆる「青切符」を2026年春ごろまでに導入することも決まっている。
自転車関連事故件数の推移について
自転車は、道路交通法では軽車両として「車のなかま」にはいる。
道路を通行するときは、「車」として、交通ルールを守ることが要求される。
とともに、交通マナーを実践するなど安全運転を心がけることが求められる。
令和5年中の全国の自転車関連事故の件数は、72,339件で、前年より2,354件増えている。
全交通事故に占める割合は、23.5%で、平成29年以降増加傾向にある。

自転車関連事故の特徴と利用五則
あるデータによると、自転車関連の死亡・重傷事故の相手当事者は、その約76%が自動車で最も多くなっている。
自転車と自動車の事故のうち、出会い頭衝突による事故が約55%で最も多く、このような事故では、自転車側にも安全不確認や、一時不停止などの違反が多く見受けられる。
自転車安全利用五則
1.車道が原則、左側を通行。歩道は例外、歩行者を優先。
道路交通法上、自転車は軽車両と位置付けられている。
したがって、車道と歩道の区別があるところは、車道通行が原則である。
そして、道路の左側に寄って通行しなければならない。
歩道を通行できる場合は、車道寄りの部分を徐行しなければならず、歩行者の通行を妨げる場合は、一時停止しなければならない。
2.交差点では、信号と一時停止を守って、安全確認。
信号機のある交差点では、信号が青になってから安全を確認し、横断する。
一時停止のある交差点では、必ず一時停止をして、安全を確認してから横断する。
3.夜間は、ライトを点灯する。
夜間は、ライトを点けなければならない。
自転車に乗る前に、ライトが正しく点くか点検する。
4.飲酒運転は禁止。
お酒を飲んだら、自転車に乗ってはいけない。

5.ヘルメットを着用。
自転車に乗るときは、乗車用ヘルメットを着用する。
幼児・児童を保護する責任のある人は、幼児を幼児用座席に乗せる時や、幼児・児童が自転車を運転するときに、幼児・児童に乗車用ヘルメットをかぶらせるようにする。
自転車に係る主な交通ルール
自転車安全利用五則は、自転車に乗るときに守るべきルールのうち、特に重要なものを取り上げているが、自転車については、このほかにも様々な交通ルールがある。
「ながらスマホ」は、絶対にダメ!
自転車運転中に、スマートフォンや携帯電話の画面を見たり、操作したりといった、いわゆる「ながらスマホ」が原因となる交通事故の発生が後を絶たない。
中には、事故の相手方である歩行者が亡くなる事故も発生している。
自転車運転中の「ながらスマホ」は、不安定な運転につながり、周囲の自動車や歩行者などに対する注意が不十分になり、重大な交通事故を起こす可能性のある極めて危険な行為である。
絶対にやめよう。

自転車の安全利用について
自転車乗用中の死者の人身損傷部位(致命傷の部位)は、頭部損傷によるものが多く、53.9%。自転車乗用中の負傷者の人身損傷主部位は、腕部35.1%、脚部21.6%である。
自転車乗用中の乗車用ヘルメット非着用時の死傷者に占める死者の割合(致死率)は、着用時に比べて約1.9倍高くなっており、頭部損傷が重大な事故につながりやすいことがわかる。
幼児・児童に自転車を運転、または、同乗させるときは、ヘルメットの着用を徹底させよう。
リスクに備えるために損害賠償責任保険等に加入しよう
いくら気を付けていても自転車事故において加害者になる可能性はある。
また、自転車と歩行者の事故は、若年層の自転車運転者によるものが多い傾向にある。
ニュースで取り上げられることもあるが、自転車の運転者に多額の損害賠償責任が生じる恐れがある。
自転車を利用する家族全員で損害賠償責任保険等に加入するようにしよう。
どんな保険が必要になるか?
これに備える保険として、個人が加入する「個人賠償責任保険」がある。
これは、日本国内、国外を問わず、記名被保険者、その配偶者、またはこれらの方の同居の親族・別居の未婚の子が日常生活における偶然な事故を起こした場合に備える保険で、自転車運転中の事故にも、対応している。
必要な保険への加入を、ご検討ください。
ご相談は、株式会社保険プランニング大分まで。


